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特集
アヴァン×トリップ~アメリカ横断しちゃった編~②
いよいよアメリカ上陸!
北京国際空港を後にし、ロサンゼルス国際空港へ約16時間の空旅。てっきり太平洋の上を通っていくのかと思いきや、ロシア、そして北極圏を通って、アラスカ経由でロサンゼルスに入る。
これまでハワイには度々訪れていたものの、アメリカ本土への上陸は初めてである。今回の旅もハワイに行くか、ベルリンに行くか、アメリカ横断にするかを迷ったくらいであり、何ならロサンゼルス行きの飛行機の中でもハワイ上空を通るのなら飛び降りてしまおうかと思っていたほどである。
ロサンゼルスじゃなくても撮れるなあ、この写真…
ロサンゼルスに到着し、いよいよアメリカ横断旅のスタート!しかし今回の旅はわずか二週間しかなく、悠長に横断している暇はない。何ならロサンゼルスの滞在時間わずか4時間で次の目的地に移動しなければならないのである。
ロサンゼルスと言えば、サンタモニカのビーチだったり、山にデカデカと設置された「H O L L Y W O O D」の看板だったり、ビバリーヒルズだったり観光名所はたくさんある。
そんな中で私が切り取ったロサンゼルスの風景は…
ボコボコになった車の数々。
ロサンゼルスの街中を限られた時間内で歩き回った収穫がこれである。(ちなみに「H O L L Y W O O D」の看板くらい街を歩いていればぶつかると思っていたのだが、想像以上にロサンゼルスが広く、その気配すら全く感じ取れなかった。)
わかる人にはわかると思うのだが、『Grand Theft Auto』というゲームの舞台がロサンゼルスを模倣した“ロスサントス”という街であり、その街は無法地帯で、このようにグチャグチャになった車があっという間に出来上がるような恐ろしい街なのである。
そんな“ロスサントス”の匂いをこのスクラップヤードから感じ取り、思わず写真を撮ってしまった次第なのだ。
そしてユニオン駅から次の目的地へ…10時間の夜行列車の旅…
この電車の大きさよ!まさにアメリカンサイズ!!
当初、アメリカ横断に際して、鉄道かレンタカーか夜行バスかで迷ったのだが、日本ではなかなか乗ることのできない夜行列車での旅を選択した。チケットは日本で予約し、当日、ユニオン駅の窓口で受け取った。
この電車はアムトラックという長距離移動列車であり、終点は約3000キロ先のシカゴという途方もない列車なのだ。ちなみにシカゴに行くためには列車の中で3日も缶詰にされる必要がある。
全車両が二階建てでシャワー室や食堂車、客の荷物を管理しておく荷物車などもある。(駅に停まるごとに荷物車の係りの人がいちいち降車客の荷物を下ろすのである。だから停車時間が非常に長い。)
テンションが上がって、手がぶれた。
座席も新幹線のグリーン席よりも広く、平気で足が伸ばせてしまう。また窓側の席(←ここ重要)に電源があるので、充電することも可能である。
ユニオン駅の時点ではあまりいなかった乗客も郊外の駅に停まるにつれて徐々に増えていく。ユニオン駅の隣の駅でアメリカ人のおじさんが乗ってきて、隣に座られてしまった。正直、「隣来んのかいっ!」と思ってしまったが、しばらく乗っている中で、そのおじさんとコミュニケーションを取ることができるようになり、「自分が俳優であり、二十日鼠と人間を上演しようと思っている」という話をしたところ、「Oh!!Steinbeck!!」と作者であるスタインベックの名前にちょっと興奮してくれたので、何となく嬉しかった。
車内から見た朝日。なんだか眩しい。
そしてついに第一中継地 フラッグスタッフに到着!!
朝の4時に到着するはずが結局3時間遅れの7時に到着というアメリカ感溢れる大雑把さを体験しつつも、無事にグランドキャニオンの麓の駅 フラッグスタッフに到着した。(つまり13時間、電車に乗っていたわけである。キングオブ深夜バスはかた号と肩を並べるくらいには乗っていた。)