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よしおのアヴァン×トリップ 第3回

マクドナー、ありがとう!沖縄は夏だよ!

Triglav 2nd work「THE PILLOWMAN」が無事に終演しました。本当に色んなことがありました。 近いうちに、年内には、年明けにでも、そちらのことはまとめたいと思います。 でもでも、ご来場いただいた皆様、関係者の皆様、本当にありがとうございました。

久しぶりに出た!突発性どっか行きたい症候群!!

Triglav 1st work「The Collection」が今年の6月。その時も僕は終演直後にハワイに旅立ち、たくさん美味しいものを食べ、山登りをし、ハワイ大学のキャンパスで見ず知らずの学生と交流を深め、自分の行きたい方向にとりあえずひたすら歩き、最後にはアンティークのアロハシャツを買う、というアヴァンギャルドな旅をしていました。

とにかくどこかに旅立ちたい。何をするとかじゃないけど、とにかくどこかに行きたい。

でも!終演が16日、19日には新宿で忘年会が!

つまり猶予は17日の朝から19日の夜まで…

何かを抱えすぎたり、どこかに逃避行を図りたい人は南の方角に向かう傾向があるそうです。僕はまさにそんな感じ。東京の冷たい空気が嫌だ!とにかくハワイに行きたい!一瞬でもいいからハワイの風に当たりたい! でも現実的に無理です。本当に行って帰ってくるだけになる。タイランド案も浮上したのですが、行き当たりばったりでタイに行って、言葉も”コップンカー”しか知らないで、生きていけるのだろうかという漠然とした恐怖にかられ、それも断念。 色んなことを考えていたら「THE PILLOWMAN」は終演し、打ち上げも終わり、旅に出発するはずの予定日、17日のお昼過ぎに僕は目を覚ましました。

もう旅なんかやめよう。疲れたもん。

そうなのです。今回の「THE PILLOWMAN」、僕は2時間の上演時間、なのに、2時間半ずっと舞台上に出ずっぱという矛盾を7公演やったわけです。疲れないわけがないですよ。体力的にめちゃくちゃしんどかった。そりゃ、旅に出る気力なんて失せます。

お昼過ぎに目を覚まし、そこからずっと惰性で「水曜どうでしょう」をテレビに流しながら、ぼーっとしていました。 そして事件が起きたのは16時。

「このままじゃ廃人だ!旅に出よう!」

自分の部屋の窓から夕日が差し込んできた時に、自分のだらしない姿を、スウェット姿で寝起きの姿を改めて見返したのです。本当に最悪だと思いました。今日、何も行動をしていない。何かしなきゃ。そうだ、旅に出なきゃ。 僕の思考回路は本当にそんな感じでした。 ハワイは無理。タイも無理。でも暖かいところ…沖縄!! 本当にこんな感じの思考回路でした。 ただそこから一応自分でも葛藤はするのです。本当に自分が沖縄に行くべきなのか、航空券を本当に取るのか、宿はどうする、色んなことを思考して、1時間。時刻は17時。まず宿を押さえました。2泊で1500円の激安宿。昨年行ったベトナムで一泊500円の激汚宿に泊まっているので、日本でどんな宿が来ても、もう怖くはありません。 宿さえ押さえてしまえばこっちのもん。もう行かざるをえません。この段階で航空券も押さえました。成田19時発。

成田19時!!!!!

航空券のチケットを取った段階で17時半。成田発が19時。しかも格安航空会社なので搭乗口も遠い第3ターミナル。出発は1時間半後。 僕は衝撃を受けました。 「航空券取ったけど、1時間半で成田まで行けるの?そもそも搭乗締め切りってもっと早くない?」 「あ、やばい。」

公演でボロボロになった身体に再度鞭を打ち、気温8℃の中を半袖で疾走しました。搭乗時刻は18時35分。でも焦ってもしょうがない。可能な限り最速で成田エクスプレスに乗り込み、可能な限り最速で成田空港第3ターミナルに到着したのが18時33分。 手荷物検査でも僕の人間らしさがしとどに溢れていたと思います。金属探知機を何度通っても反応してしまう。一回目はベルト、二回目はお財布。でも焦ってもしょうがない。 搭乗口に到着したのは18時37分。ギリギリ搭乗の列の最後尾に滑り込めました。もうね、地獄よ。本当に愚か。 そしてそこから約3時間のフライト。

沖縄着!!!

沖縄…着…寒…

せっかく沖縄に着いたのに、上手に笑えません。寒くて。僕が想像していた沖縄はもうちょっと「もわっ、ぬるいねえ」という感じ。僕が体感したのは「え、寒」。自分の愚かさを改めて実感した瞬間でした。 そして宿付近に到着したのが23時過ぎ。もうどこかのお店に入ってご飯を食べる気力はありません。なのでせめて沖縄感のあるものをと思い、近くにあった地元密着感のあるスーパー”ユニオン”で売れ残りの惣菜を物色。そこに残ってたのがソーメンチャンプルー。172円。正直、見た目はイマイチでした。

バチウマ!!!!!!!5000ウマみ!!!!

本当にただのソーメンと野菜の炒め物なのに、めちゃくちゃ美味しい!何これ!冷めてるし、ソーメン同士もなんかくっついてるのに、美味しい!これが沖縄!やっぱり人間は美味しいものに素直なのです。一気に報われた気分でした。やはり旅の醍醐味ですよね、地元スーパーの物色。今後もこの習慣は続けていこうと思います。

2日目は北に向かって沖縄を縦断!

沖縄北部はヤンバル地域と呼ばれ、その先端、辺戸岬からは鹿児島県の最南端、与論島の姿が見えます。つまり辺戸岬と与論島の間にかつて国境線があり、その国境を無くし、沖縄を日本に復帰させるため、様々な先人たちが汗を流したわけです。

戦争が終わってからも、沖縄には様々な問題が横たわり、その度に先人たちは対話を通して、様々なものを勝ち取ってきたのだなと。 僕が沖縄を訪れている数日前にも不発弾が那覇市内で発見され、ゆいレール(那覇市内を走るモノレール)の運行が一時止まったそうです。 僕は沖縄に羽を伸ばそうと、自分の英気を養おうと思ってやってきたので、政治的なものに無理して目を向けようとは思ってはいませんでしたが、自然と目が向いてしまいます。

車を走らせている時にたまたま見つけた辺野古反対の横断幕

レンタカーの時間もあったので辺野古に寄ることはしませんでしたが、僕が沖縄にいる最中にもあんなに美しい海に土砂が流入されていたのです。 国防か…そうか…国防ね… 僕ら、新国立劇場演劇研修所10期修了生は「ひめゆり」という朗読劇を初演でやっているので、沖縄に対して色々思うところがあるのです。

「ひめゆり」初演(2016年8月 新国立劇場小劇場)

レンタカーで那覇市から辺戸岬まで約120キロの道のり。その道中には「ひめゆり」に出てくる街や地域の名前が点々と現れ、その度に色々な思いがこみ上げるのです。高校の修学旅行で沖縄に来た時の数万倍も色々なことを感じることができた…学生時代の平和学習の在り方というものも再考の余地があるな、と。 演劇を通して、歴史を知り、そして実際に舞台となった地を訪ねてみる。そのプロセスというのは漠然とした一人旅を有意義なものに変えてくれる。旅の仕方は人それぞれだけど、僕はこういう旅を続けていきたい。そんなことを思ったアヴァン×トリップ沖縄編でした!

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