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家宝。 岩男海史。

①お笑い動画(笑顔になる)
②筋トレorジョギング(汗をかく)
③大量の水(身体を循環させる)

これは僕が精神的または肉体的にキツイ時に体調不良や挫折から救ってくれる3種の神器。
特に①お笑い動画では最近の「相席食堂」のアンガールズ田中さんの回がすんばらしいので、よかったら観ていただきたい。

ただ今回、その3種の神器を使っても回復できない波が襲ってきた。
きっとこれは他の職種の方々や、もっと修羅場を潜ってきた方々に比べれば屁でもないようなものだろうが、ぬくぬくと育ってきた岩男くん(28才/男性)にはまあまあキツイのだろう。
「何がキツイの?」という質問には残念ながらまだ「お仕事関係」とまでしか応えられない。

「こういう時、恋人や家族が隣にいたら救いがあるのか?」なんてこと考える。
もちろん気は楽になるだろうが、こういう問題の根本的な解決は自分でするしかないと思う。
こういう小さい”キャパオーバー”を何度も繰り返して少しずつ大きくなっていくのか。

前起きが長くなりましたが、写真のコレが僕の家宝です。

なんだこれ、、、

これ、内村光良 一人芝居「東京オリンピック生まれの男」の本番中に内村さんが書いた物、舞台小道具です。
(バラシのときにめちゃお願いして譲って頂きました)

僕は16才から60~70本くらいの演劇作品に衣装で関わってきましたが、最も思い出深いのがこの作品です。
『内村光良 一人芝居』という超ビッグな企画に対して、衣装としてはとても点数が少ないこと。またなにより「笑う犬」で育った僕が内村さんのことが大大大好きであること。これにより僕はこの作品に”現場衣装”として参加させていただいてました。当時19才。

あこがれの内村さん。テレビで超面白い内村さん。楽しい楽しいウッチャン。
は、あまりにも僕と同じでした。(語弊注意)

なにかというと、

ものすっっっっごいプレッシャーと戦っていました。
自分が作った作品を、サンシャイン劇場の大勢のお客さんを前に、舞台上たった1人で上演する。

この超プレッシャーに押し潰されそうになりながら、つねに笑いを求めて自分を追い込みながら創作していました。
しかも、スタッフにキリキリした感じを全く見せずに。

来たる本番。開演直前の舞台袖の内村さんが僕の頭から離れない。

満員の楽しそうなお客さんのガヤガヤを聴きながら、内村さんはずっとえずいていた。オエっ。ヴォォエ!!と。

そんな内村さんに箱ティッシュを持ってべったりと付く僕。
小学生から観てきたあのウッチャンが、こんなプレッシャーと戦いながらコントを作っていたなんて全く知らなんだ。

そして暗転。
お客さんから盛大な拍手が送られる中、
僕に「ありがとう!」とニッコリ笑って舞台上に溶暗していく内村さんの後ろ姿が今でも僕の頭に鮮明に残っています。

直後、ライトに照らされた内村さんは僕がテレビでずっと見てきたウッチャンそのものでした。

数年後、小劇場で事務所フリーでの俳優活動に限界を感じた僕は最も苦手な匂いのする新国立劇場演劇研修所を受験。
オーディションで隣の俳優たちが軒並みシェイクスピア・チェーホフ・三島由紀夫の長台詞で挑戦する中僕は

「岩男海史です。内村光良一人芝居『東京オリンピック生まれの男』より、ラストの長台詞いきます!」と。

当時審査員の宮田慶子さんや栗山民也さんからめちゃめちゃ笑われ「そりゃ落ちるか。」と思いきや、なんの気の迷いか僕は入所してました。
後日内村さんに報告に伺うと、笑って「よかったじゃん!」と。

小学生の僕を支えてくれたウッチャンは、今もずっと僕のヒーローなわけです。

。。。まぁ、そんなプレッシャーを見せずに常にメディアで活躍する素敵な内村さんと、
こんなしょーもないプレッシャーでグダグダとブログで弱音を吐いている僕。
きっとソコが”差”なんだと思います。

この話が愛する内村さんの営業妨害になりませんよう。

この「生命」を見ながら自分の悩みのちっぽけさに恥ずかしくなる梅雨時。

さぁさぁ前向きに楽しみましょう^^ 岩男海史。