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26時現地入り、撮影スタート。

2018ロシアW杯「日本×ポーランド」キックオフ!

と、同時に私たちは出発しました。ただただ家でビール飲みながら見たかった。。
しかし連日寝不足の中、高速道路を使って数時間の運転を耐えるのにモニターで観戦しながらのドライブは最適でした。
私たち4人とお手伝いしてくれる麗しい女優さんが2人、そしてカメラマン 名児耶洋(Nagoya Hiro)さん。
カメラマン探しも熟考した。
まずは予算削減のため我らが高倉直人(趣味:カメラ)に頼もうか、、いやいや、やっぱり何事も”プロ”と”得意な人”にはとても大きな隔たりがある。それに今回は第一弾。今後の活動を支えてくれる素敵な出会いがあるかもしれない。探そう!
ありがたいことに周りにカメラマンの知り合いは沢山居た。何名かの作品を見せて頂くうえで、なんとなく心惹かれる方向性が見えてきた。「俺達っ”ぽくない”方がいい」
ただでさえ野郎4人のむさ苦しい団体。とりわけズバ抜けたハンサムがいるわけでもなく、内面的にも押しが強くて鬱陶しい。だったら少しでも柔らかい雰囲気を出せる人に撮ってほしい。
アヴァンギャルド×コンプレックス(前衛的な交差点)の名前にもあるように、異なる要素を掛け合わせるのが好きなのだ。
そしてあるカメラマンさんの作品に目が止まった。名児耶洋さん。ひょんなことから繋がりを得たこの方は、蜷川実花さんの元で経験を積んだ素敵な写真家さんだ。「背景と人物が凄く作用しあっている。」私は素人ながらそう思った。この人に撮ってほしい!そう思ってすぐにアポを取らせて頂いた。

テーマは「生まれる」

撮影のイメージを考えた。
「”アヴァンギャルド×コンプレックス”て感じの写真、、」全く浮かばない。これはこの名前の長所でもあるのだが、この名前は”なんでもアリ”なのだ。
だから付けた。しかしこうも早く策に溺れるとは。
そうだ、テーマを「アヴァンギャルド×コンプレックス」じゃなくて、「撮影第一弾」という方向にしよう!
名前っぽい撮影はいつだって出来るが、”第一弾”は後にも先にもこれきりだ。これは逃げじゃない、もう一度言う、これは逃げじゃない!!
これが最初のイメージ。「卵から出てくるローション(白身)まみれの黄色い男(黄身)達。」
うん、今の出来上がりで本当に良かったと思ってます。そもそも予算度外視ですし…
この卵のイメージと、生命の源である「海」というイメージ。その2つを胸に僕は名児耶さんと初対面を果たしました。
「じゃあ、卵と海の両方でいきましょう。」
もの凄くすんなり僕のアイデアを受け入れてくれ、その上にどんどん発想が積み上がって行きます。とてもワクワクした時間だった。
その後メンバーの永田涼を連れて3人でロケハンして場所と時間を決め、撮影当日に至るわけです。

夜の海、怖すぎ説。

現地到着26時。真っ暗のなかメイクをして着替えて、いざ海へ!
「ザザーッ」「ザザザーーッ」  水平線すら確認出来ない真っ暗な視界の中、確かに数メートル前から波の音が聞こえます。しばらくして目が慣れ、うっすらと波の輪郭を捉えることが出来たが、それは紛れもなく”黒い大量の水”でしかなかった。
「怖え。」 昔の人が夜の海に化物が出ると言うのがよく分かる。足首まで浸して水平線を見ると視界全体に黒い波がゆらゆらと。なんだかどこかへ吸い込まれてしまいそうです。
「俺全然大丈夫だよー!」
声の方を向くと永田涼(最年少)が胸まで海に浸かってます。スリラー映画なら間違いなく彼が最初に八つ裂きにされて木に括り付けられてるでしょう。彼は以前からそういうところがある。本気で注意しました。ゆとり世代の僕が唯一先生に顔面を殴られたのが中2の臨海学校です。あの時の先生の気持ちが痛いほど分かりました。
「日が出て明るくなる」そう勝手に思ってました。でも考えてみれば地球は丸いのです。まだ日は出てないのに徐々に明るくなります。5分前とは全く違った風景。みるみる海と空が表情を変え、そのどれもが魅力的です。

「楽しい!楽しい!寒い!楽しい!しょっぱい!楽しい!じゃりじゃり!!」

いざ撮影も始まり、ペースも概ね快調でした。
今回の撮影衣裳は当然、衣裳家でもあるメンバーの岩男がコーディネートしたものです。黄色とはとても難しくてかなり苦労しました。こう、、パキっと決まらないんですね。良くも悪くもボワッとしてしまう。膨張色とはよく言ったものです。
さらに中西が着てるジャケットと高倉が着ているシャツは染めたんです。「これが黄色かったらいいな~」という服を古着屋で見つけ、帰ってきてグツグツ煮込んで、色をこまめにチェックして。そう、Tシャツとかって汗かいたとこ色が濃くなるでしょ。それと同じで、染めてる時は濡れてるから色が濃いんです。その時点の色を見て、「これが乾いたらちょうどいいか」を想像して煮込みをストップするのです。(注:黄色の染料は人体に有毒です。キッチンでやる際はお気をつけて)
そこでひとつミスが。そう、僕ら撮影中ビショビショじゃないですか…この服、全部もう2トーンくらい明るいんです。それでコーディネートしたのに、、勉強の毎日です。

卵、登場。

あれ、ずいぶん当初の予定より卵が小さくなったな。。これは試行錯誤の上でのサイズ感です。説明的になり過ぎたくは無いし、伝わらなくてもいいんです。「なんで黄色?」て。でも卵の黄身としてモチベーションを持ってる我々としては卵が欲しいのです!
衣裳家が相手にするのは布ばかりではありません。ウレタン(スポンジ)だってドンとこいです!徹夜で作ったこの可愛い卵。まさに苦労して産み落とした我が子です。それを現場でチョキチョキチョキ。我ながらこの手作り感がなんとも言えぬ”演劇感”のようなものを醸し出してると自負してます。。。そう言わせてやって下さい。
その後も、襲い来る寒気をテンションでやり過ごし、海での撮影を終えました。塩気によるベタつき・ズブ濡れの服に大量の砂は想像を絶する障害を僕らに残しましたとさ。

大詰めラストは防潮林。

初めて見ました防潮林。ロケハンの時に「なんで海のすぐ隣がこんなに茂ってるの?」と驚きましたが、調べたら人工なんですね。無知な自分が恥ずかしい。
元の予定では撮影は海だけだったのですが、せっかくこんなロケーションがあるなら見過ごすわけにはいきません。陽も完全に出て時計は5時半を指しました。疲れも出てくる頃ですがグッと気合をいれて着替えます。
この2ポーズ目は普段着にしてみました。中西には以前一緒にロンドン行った時に作った一張羅をオーダーしました。すると、彼独特のなんとも言えぬ”社長感”のようなものがしとどに溢れ出てきました。
コーディネートというのは本当に難しい。”似合う”ということは魅力的に見えるために物凄く大切な要素なんです。どんなにカッコいい服を着ても似合わなければ物凄くカッチョ悪いのです。やっぱいいなあ私服、としみじみ感じます。

いざ帰宅。家に着くまでが撮影です!

ベタベタ。ザラザラ。暑い。眠い。お腹へった。でもなんだかとっても気持ちがいい。
しかし、このまま高速道路を何時間も運転して安全に皆を家まで届ける自信がありません…
皆で温泉に向かいました。極楽。そして副交感神経がドッと出て眠気もMAXです。なんとか無事家に着き、炎天下の道端で海に浸かった服の洗濯。もしかしたら2018年で最も夏を感じた1日だったかも知れません。
いわばアヴァンギャルド×コンプレックス最初の創作活動でした。
今回はHP立ち上げにあたっての撮影。第二弾はいつになることやら。
カメラマンの名児耶洋さん、女優の田村彩絵さん・小園優さん、本当にありがとうございました。

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