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激動と沈黙の2020年を振り返る

 

7~8月:マスク戦線に参戦する岩男~銘銘らしい人生を~

わたくし岩男の実家は両親と祖母まで全構成員が衣装家である。岩男家は文字通り”衣装家”です。
そんな岩男家がコロナ禍においてどうしても気になっていたのが“マスク戦線”でした。

「いまだ!」と言わんばかりにとてつもないスピードで大手企業から個人商まで各所から新デザイン新機能のマスクが発売した今年の夏。
衣装デザイナーの端くれとして「自分だったらどういうマスクを作るか?」は考えないわけにはいきませんでした。家族一同。

「よし、作ってみるか。」

的なラフな感じで着手しだしたのが5月の半ばあたり。
なんといっても家族全員がイベント業メインの岩男家は劇的に暇でした。

デザインの根本を全員で話し合い、最終的なデザインの微調整、素材選び、世界観やPRの仕方を僕が考えました。
試作用の素材、裁縫やレーザーカッターなど物を切り出し成形する環境は整いに整っている。我ながらさすが”衣装家”。

そして産み出したのが『和紙ますくMeiMei』

こんな世の中だからこそ、“銘銘らしく”人生を楽しんで欲しい。と想いを込めました。
素材の美濃和紙は江戸時代から続く和紙問屋の『小津和紙』に直接交渉に伺い提供していただきました。

女優の さとうほなみ さんをはじめ、愛する俳優仲間たちにモデルとして参加していただき、撮影は『呼吸』でもお世話になった名児耶洋さん。自分でも納得できるHPが出来上がりました。

結果、発売直後に初期在庫は即完、
「メガネに吊るすマスク」というキャッチーさで色んなメディアに取り上げていただきました。
岩男の俳優部分が激嫉妬するくらい民放各局を飛び回り、雑誌にも多数乗せて頂き、世界的なアイウェアブランドであるレイバンと関わることもできた。
これは11月の話ですが、とあるスペシャルなテレビ局に声をかけていただき、僕がMeiMeiを作るまでの過程をまとめた7分間のショートドキュメンタリーが世界100ヵ国以上に配信され、いまHPには英語満載のメールが定期的に届くようになりました。

MeiMei最大の欠陥は、趣味や好奇心で走り出したMeiMeiは嘘みたいな原価率で作っているので、いわゆる経済的な成功は全くと言って良いほどないんです。ミスった!!

ただ、仕事に追われまともに食卓を囲むこともなかった岩男家が一丸となり夢中で暇を潰し、なんとか形になったプロジェクトが世の中に羽ばたいたことは特別な体験でした。協力してくれた仲間たちにも感謝してもしきれません。

和紙ますくMeiMei公式HP

 

 

9~11月:最多忙更新 幸せの極みは暇にあらず

「菅田将輝、菅田将輝、菅田将輝、、」
これは僕が忙しくて寝れずに頭パンパンになってる時に精神を落ち着かせる時に自らに言い聞かせるワードです。
意味は
「菅田将輝(さんよりは全然忙しくない)、菅田将輝(さんはこんなもんじゃないプレッシャーを感じながら才能を爆発させている)、菅田将輝(さんにはまだまだ遠い、こんなもんでへこたれるな、、)」といった感じです。(なぜ菅田将輝さんかというと、同世代くらいで深い意味はなく、、もちろんとってもリスペクトしています。)9~11月の間にこのワードに何度励まされたか。

というのも、11月から12月頭にかけて衣装作が2本バッティングしており、今年の仕事量のピークはソコにあるなと構えていたところに、超幸運にもハイバイのオーディションが決まり、かつてない負担の素敵なお芝居が舞い込んだんです。

衣装点数過去最高の『桜の園』作り物クオリティ過去最高の『ガールズ・イン・クライシス』、そして俳優として過去最高にえげつない役の『投げられやすい石』。この3本が完全にバッティングしてしまい、最高にホットな秋を過ごせました。

ここに書くにはちょっとボリュームがありすぎるので、もしよかったら衣装作はギャラリーページから、出演作はまだ映像配信中なので良かったら観てくださいませ。とにかく幸せな3ヶ月でした。

出演しましたハイバイ『投げられやすい石』は1/11まで配信チケット販売、1/31まで視聴可能ですのでご検討あれ!!

ハイバイ『投げられやすい石』配信チケットページ

 

 

12月:人生は勉強の連続 挑戦をし続けなさいギリ若者よ

締め括りの12月は衣装と出演の舞台がほぼ同時に終わり、それと同時に出演ドラマの『逃亡者』が放送されました。

映像作品が初なわけではないですが、岩男史上ダントツの出演ボリュームでした。
ちょうど1年前『冬のサボテン』千穐楽の翌日にクランクイン。前日まで”花ちゃん”というおデブ女性を演じた直後で僕の肉体はムッチムチのワガママボディでした。
大先輩方とみっちりご一緒させて頂いた約2ヶ月は刺激の山でした。

“舞台演技の技術”があるように、“映像演技の技術”も当然あるわけで。
自分の俳優として持ってるものを場所によって使い分ける必要があるのだなぁと、録画を観ながら衣装の後始末をしながらそんなことをボンヤリ考えていました。

そして『投げられやすい石』でみっちりお世話になりました岩井秀人さんが主催する『いきなり本読み』をクリスマスに観させていただきました。
舞台上に居た岩井秀人さん松たか子さん神木隆之介さん大倉孝二さん後藤剛範さん。みんな怪物すぎて、、
フト岩男は「あぁ、遠いな。」と感じて焦りだします。

ちょうど12月からメンバーの中西良介と田村彩絵が主催する『アヴァンギャルド△』(アヴァンギャルドさんかっけー)というYOUTUBE企画が始まりました。古い頭の僕は最初渋ったものの、YOUTUBEという媒体は現代において無視できない。企画を考え、撮影し、編集し、再生数を上げるために試行錯誤する。というのはこの時代必要なスキル・経験だと。できることはモリモリ挑戦しようじゃないかギリ若者よ。

『アヴァンギャルド△』

 

 

野外劇『下北三文オペラ』。
これは第一回公演の直後に出したアヴァンギャルド×コンプレックス第二回公演案です。
恥ずかしながら、この時勢でこの企画を押し進める度胸と無謀さを僕は持ち合わせていません。
(ただ、いつか必ず上演します。僕たちの「三文オペラ」愛は半端じゃないんです。)

かといってこのまま沈黙するわけにもいかないので、次の企画を動かし始めようと思います。先日良いのを思いつきました。

団体としては細々ですが、毎週配信のラジオYOUTUBE企画
その水面下でも1本企画を走らせます。もちろん演劇です。
個人としてもメンバーそれぞれに出演が控えており、こちらは随時更新しますのでHPやSNSをチョコチョコ気にしていただけますと幸いです。

兎にも角にも、健康第一。

楽観して気が緩んじゃイカンですが、悲観するほど世界は捨てたもんじゃないと思います。

さ、年越し蕎麦つくろう。

2020/12/31
アヴァンギャルド×コンプレックス代表 岩男海史

(↑↓11月出演ハイバイ『投げられやすい石』終演直後。最高の出会いでした。)

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