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ありがとう!マクドナー!!

取っ組み合う

我らが中西が明治大学時代の同期と組んだ演劇団体Triglav(トリグラフ)。今年6月の立ち上げ公演では衣裳として参加させてもらい、それ以来2回目の共作だ。

前回でも思ったことだが、この現場は非常に各々の意見が通る。演出家の新井ひかる氏が僕と同い年というのもあるが、いわゆる演出家至上主義ではないのだ。

僕がアヴァンギャルドを立ち上げた理由はいくつかあるが、そのうちの大きな1つに「横の繋がり」というものがある。

親の影響で幼少期から先輩に囲まれながら演劇を始め、大学も行かず新国立劇場演劇研修所に入った僕はいわゆる「縦の繋がり」まみれだ。これは非常にありがたいことで、僕みたいなもんが宮田慶子さんや栗山民也さんに「宮田さーん!」「栗山さーん!」と挨拶できるのは確かに宝物のような繋がりだ。

しかししかし、もう一方で、よく40代の先輩方と飲んでたりすると出てくる「こいつとはかれこれ25年になるな~」とか、“昔は一緒に無茶したバナシ“なんかを聴くと「いいなぁ~~」と思う。現に今、国内で第一線に活躍している演劇人の多くがそうやって徒党を組んで無茶して今のスタンスや地位を築いている。

話は逸れたが、要するに僕は「横の繋がり」に強い憧れと大きな価値を見込んでいる。アヴァンギャルドがそうであるように、このTriglavも完全に「横の繋がり」を主体とした団体だ。

演出家と“コラボレート”できる現場はそう多くない。

演出家も翻訳家も衣裳家もずっと現場にいる。衣裳家がずっといる価値は甚だ疑問だが、今作に関してはとても大きな意味を持つ。

 

いざ、マーティン・マクドナー。

はっけよーい、のこった!!

やったーー!やったー!!マクドナーー!!

そう思っていた数日間があった気がする。本当に愚かだった。

「ピローマン」こそ見たことなかったが、マクドナー大好きな僕は彼の作品を国内外合わせると5・6本くらい見ている。さらに当然のごとく映画「スリービルボード」。最高です。

そんな憧れのマクドナーをメインの役だけでなくプランナースタッフとしても参加出来るなんて、、なんと嬉しいことだろう。

そんな嬉しさの中で最も意識しなければならないものが見えてなかった。

これ、大変過ぎないか?

思えば過去見たマクドナーの作品はどれも刺激的だった。

ガラスをぶち破って飛び込んできたり、スーツケースに大量の左手が入ってたり、映画を上映するシーンがあったり、首を吊られた人を囲んで芝居していたり、ナンダリカンダリ、、今回の「ピローマン」もそのテイストはふんだんに含まれている。血。ペンキ。。そして大量の紙(これはマクドナーでなく演出家のアイデア。どれほど私たちを苦しめたか、、笑)

衣裳プランナーとしてはこの『血』と『ペンキ』が最高に大変だった。何度海の向こうに愚痴をこぼしたか。

もちろん“演劇の嘘”でどこまで具象化するかは演出家をはじめ僕たち次第ではあった。

しかし、せっかくここまで大変な思いをしてるのなら出来るとこまでやってみようという思いが湧き上がった。物語作家である主人公の世界を表現するために大量の原稿を繋ぎ合わせた舞台美術。それらに血やペンキが大量に染み込んでいく。

衣裳的には最高に最悪な環境だったが、この全員野球感がたまらなかった。

稽古する中で気になる台詞があれば逐一中西(翻訳)に問いかける。すると彼が原文を出してきて、その英文を元に皆でディスカッション。

さらに今作は翻訳だけでなく彼は190分あるこの作品を120分にまとめあげた。本当に凄いと思う。

その中で何度もテキレジに我々も口を出し、本当に豊かな稽古場だった。

発展途上

終わって数日経った。

概ね高評価だったが、もちろん全てが賛美な訳もなく、当然僕たちも全てに満足しているわけではない。アクシデントも多々あった。

そんな中で1番言われた言葉が「よくやった」だった。

そこに甘んじはしないが、創作段階でもその「よくやった」というのは大きなテーマだった気がする。

ベテラン舞台監督の村信さんを除けば座組の平均年齢は25歳を切るかもしれない。

そんなチームでマーティン・マクドナーの代表作にぶち当たった。

10年後・20年後、中西や演出の新井ひかるらと共に「あれはきつかった!」と笑える日がきっとくる。

そんな公演だった。

やー、めっちゃ大変だった!!!最高。

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